TIB FABとは―
TIB FABは、ハードウェア系スタートアップのための実証・開発拠点。3Dプリンターや電子工作機器、金属加工機、計測器・試験設備などを備えた「FABスペース」では、アイデアのプロトタイピングから簡易試験までを一貫して行うことができます。
サポート体制も万全
さまざまな分野で経験を積んだテクニカルアドバイザーが対面での技術相談を通じて開発を支援。さらに、資金調達や協業、課題解決に向けた専門家との相談やビジネスマッチングイベントも提供され、技術とビジネスの両面からスタートアップの成長をサポートしています。
コミュニティーチームメンバーにインタビュー
ものづくりスタートアップをあらゆる面で支えているTIB FABで、コミュニティーチームの一員として活躍する木下瑠菜さんにお話を伺いました!
―FABのコミュニティー・マネージャーとして、日頃どのような活動をしているのですか?
FABが行っているサポートの3本柱(場所の提供、技術サポート、ビジネスサポート)のうち、ビジネスサポートを行っています。具体的には、会員様が直面している悩み・課題に応じて、企業や工場、人を紹介するマッチングサポート。また、スタートアップ同士の交流の場となるイベントの開催や、起業を目指す方々に役立つ勉強会・セミナーの企画などです。
―マッチングサポートというのはとても心強いですね。どんな例があるのでしょうか?また、工場や企業側とはどのように繋がりを築いてきたのでしょうか?
あるスタートアップ企業様より、「物はできているが、社会実装していくうえで実証実験をする場所がない」というご相談を受けました。そこで大田区の羽田イノベーションシティをご紹介し、現在は年内の実証実験に向けて改良が進められていると伺っています。
一方、協力してくださる工場・企業様との連携については、2024年4月まで約10年間、秋葉原で運営していたハードウェア・スタートアップ支援施設「DMM.make AKIBA」時代からの繋がりが挙げられます。また、TIBにお越しになるさまざまな方とお会いする中で、スタートアップとの連携や協業の可能性を探るご相談を日々できている、という点も非常に大きいですね。
-ハードウェア・スタートアップにとって、FABを利用するメリットはどのような点でしょうか?
スタートアップにとってスピード感はとても大事なので、試作品の簡易試験まで一通りワンストップでできるのは、大きなメリットになっていると思います。あらゆる機材がほぼ無料でご利用可能ですし!また、さまざまな技術分野で経験豊富なテクニカルアドバイザーから支援を受けられる点も、FABの大きな強みです。
さらに、TIBにはハードウェアに限らず、ソフトウェア、スタートアップ支援者、投資家、大企業、自治体関係者など、多様な分野のプレイヤーが集まっています。FABでのものづくりをきっかけに、そうした方々と自然につながることができ、技術面だけでなく事業面の相談や協業の可能性が広がるのも、FABならではの価値だと思います。
―プロトタイピング環境と試験環境を備えているのは、素晴らしい環境ですよね。学生の利用も多いのでしょうか?
はい、20~30代の会員様が多いのですが、最近は学生の利用も増えています。例えば、(TIB1階に展示もされている)国際火星探査ローバー開発の学生プロジェクトチーム。FABに大勢の学生が集まり、アメリカのメンバーとオンラインで打合せをしながら夜まで作業している姿が印象的でした!チームには文系出身の学生も参加していて、ホームページの作成や広報、マーケティング分野など、それぞれが得意な分野で活躍していました。ものづくりだけでなく、ビジネス的な側面もしっかり捉えているのだと思います!

―大学生やより若い世代、あるいは「スタートアップにはまだ挑戦していないけれど、ものづくりへの関心が高い」方を対象にした取り組みはありますか?
はい、「TIB FAB Makers Challenge」というものづくりシードスタートアップ育成プログラムがあります。アイデアをカタチにするために、ハードウェア開発に必要な知識やスキル、効果的な試作方法を学ぶことができます!
また、ラジオ作りといった小学生・中学生向けのワークショップも開催しています。
―FABを運営される中で、今後の課題だと感じる点があれば教えてください。
現在FABを利用されているスタートアップの方々と接していると、プロダクトの形は見えてきても、その先の「どのタイミングで、どこに何を相談すべきか」という具体的な道筋に悩まれているケースが多いと感じます。特にハードウェアは、開発環境の確保や部材調達など、早い段階から多額の資金が必要となるのが大きな特徴です。それゆえに、一つひとつの選択が事業の成否に直結することも。現在、都内を中心にこれらをサポートする手厚い支援策が数多く用意されていますが、選択肢が豊富だからこそ、今の自分たちに本当に必要な支援が体系的に見えにくいという側面も課題に感じています。連携する支援事業者や施設とのネットワークを最大限に活かし、私たちがその一助となって、もっとスムーズに次のステップに繋ぐことができたら良いなと考えています。
―最後に、FABに興味はあるけれどまだ利用したことがない、という方へ向けてメッセージをお願いします!
ハードウェア開発をビジネスの新しい手段として検討している方や、まずは試作に挑戦してみたい方、ぜひFABにお越しください。
「形になるか不安…」という方も、まずは見学だけでも、またスタッフへのご相談だけでも大歓迎です。お気軽にお声がけください!




